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チェルノブイリ原発事故で放出された放射性物質の量

報道によると福島第一原発から放出された放射性物質の量は、事故から約6日間で77万テラベクレル(テラは1兆)と推計されるそうだ。

メルトダウン「5時間後」=放射能放出、2倍と推計-保安院が解析・福島第1原発(時事ドットコム、2011/06/06-22:04)
 また保安院は、同原発から放出された放射性物質の量を、事故から約6日間で77万テラベクレル(テラは1兆)と推計。4月に今回の事故を国際原子力事故評価尺度(INES)で史上最悪のレベル7と暫定評価した際は、同原発周辺で計測された放射線量などから37万テラベクレルと推計しており、2倍以上に膨らんだことになる。


よくニュースでは、福島第一原発から放出された放射性物質はチェルノブイリ原発事故より少ないと説明される。そこで、チェルノブイリ原発事故ではどの程度の放射性物質が放出されたのか調べてみた。

下図がその結果である。放射性物質(縦軸)ごとに放出量(横軸)がかなり異なることが分かる。図には福島第一原発からの放出量の合計(77万テラベクレル)も含めてある(下図の赤い棒)。ただし、核種ごとの放出量は不明なので未記入。

横軸は対数軸になっており、単位はペタベクレルであることに注意されたい。馴染みのない単位であるが、1ペタベクレル(PBq)=1、000テラベクレル(TBq)=1,000,000ギガベクレル(GBq)である。前述の報道に出てきた、福島第一原発からの放出量77万テラベクレルは770ペタベクレルと同じである。チェルノブイリ原発事故による放出量は12500ペタベクレルなので、福島第一原発の約16倍である。

ところで、なぜ報道では、放出量の単位としてペタベクレルではなくテラベクレルを使うのであろうか。


relasedFromCNPP.png


下表は上図の生データである。参考まで。



チェルノブイリ原発事故で放出された放射性物質の量
(単位:ペタベクレル(=PBq=1000TBq))
核種GKAEBuzulukovらSichら保安院(6/6)
85Kr3.33.x1013.33x1013.3x101
89Sr9.25x1018.14x1018.1x101
90Sr8.148.148.0
95Zr1.55x1021.67x1021.7x102
99Mo1.37x102-2.1x102
103Ru1.41x1021.7x1021.7x102
106Ru5.92x1012.96x1013.0x101
129mTe--2.4x102
132Te4.07x1024.07x1021.0x103
131I6.29x1021.67x1031.7x103
133Xe6.29.x1036.29x1036.5x103
134Cs1.85x1014.44x1014.4x101
137Cs3.7x1018.51x1018.5x101
140Ba2.7x1021.7x1021.7x102
141Ce1.3x1021.96x1022.0x102
144Ce8.88x1011.37x1021.4x102
239Np8.51x1021.67x1021.7x103
238Pu2.96x10-22.96x10-23.0x10-2
239Pu2.59x10-22.96x10-23.0x10-2
240Pu3.7x10-24.44x10-24.4x10-2
241Pu5.185.965.9
242Pu7.4x10-58.51x10-59.0x10-5
242Cm7.77x10-19.25x10-19.3x10-1
合計9.35x1039.66x10312.5x1030.77x103



参考文献:

  1. IAEA, Present and Future Environmental Impact of the Chernobyl Accident, IAEA-TECDOC-1240, IAEA, Vienna (2001).

  2. USSR STATE COMMITTEE ON THE UTILIZATION OF ATOMIC ENERGY, The Accident at the Chernobyl NPP and its Consequences. Summary Report of the Postaccident Review Meeting of the Chernobyl Accident, Safety Series N 75-INSAG-1, International Atomic Energy Agency (1986).

  3. BUZULUKOV, Yu.P., DOBRYNIN, Y.L., "Release of radionuclides during the Chernobyl accident", The Chernobyl Papers: Dose to the Soviet Population and Early Health Effects Studies (S. Merwin, M. Balonov, Eds), Research Enterprises, Richland (1993) 3 21.

  4. SICH, A., BOROVOY, RASMUSSEN, The Chernobyl Accident Revisited: Source Term Analysis and Reconstruction of Events During the Active Phase, Department of Nuclear Engineering  Massachusetts Institute of Technology, Cambridge (1994).


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