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「指の長さ、男性器の長さに関連する可能性=研究」を詳しく調べてみた(1)

先日、ロイタージャパンのサイトを見ていると、「指の長さ、男性器の長さに関連する可能性=研究」という記事がランキングのトップ(下図)だった。中国の利上げより男性器長さの方が関心が高いということか。

どのような研究なのか興味があったので原著論文(参考文献参照)を読んでみた。本記事ではその概要を紹介する。
ロイターランキング


これがそのロイターの記事。

指の長さ、男性器の長さに関連する可能性=研究(ロイター、2011年 07月 6日 08:19 JST)

 [香港 4日 ロイター] 人差し指が薬指よりも短い男性の性器は比較的長い傾向にあることが、男性病学の学術誌「アジアン・ジャーナル・オブ・アンドロロジー」に掲載された韓国の研究で明らかになった。

 これまでの研究では、出生前のテストステロン(男性ホルモン)が指や男性器の発達に強く関係していることが示されており、韓国・仁川にある嘉泉医科大学キル病院泌尿器科のTae Beom Kim氏と同僚はこの点に着目。泌尿器の問題を抱える男性144人を対象に調査を行った。

 麻酔を施し患者の男性器の長さを測定した後、各自の右手の人差し指と薬指の長さのデータと照らし合わせた。これまでの研究ではテストステロンの影響は右手に出やすいとされている。

 その結果、人差し指の長さを薬指の長さで割った割合が小さければ小さいほど、男性器がより長い可能性が示されたという。

 また、英ウォーリック大学などが昨年発表した別の研究では、人差し指が薬指よりも長い男性はそうではない男性よりも、前立腺がんを発症するリスクが3分の1ほど少ない傾向にあったという。



これまでの研究で、右手の人差し指と薬指の長さの比(=人差し指の長さ÷薬指の長さ、以下、2D:4D比と書く)は出生前のテストステロン(男性ホルモン)と逆相関の関係であることが分かっている。さらに、男性器の発達も出生前のテストステロンに影響を受けていることが分かっている。
思春期を過ぎた男性の男性器の長さは人によって異なるが、出生前のテストステロンがその原因と考え、2D:4D比と男性器の長さの関係を調べた。

被験者は、20歳以上の男性144人で、泌尿器の手術を受けるため入院した患者からなる。

測定項目とその結果を下表にまとめた。表に出てくる用語の意味は次のとおり。

  • 弛緩時男性器の長さ:縮んだ状態の男性器の長さ

  • 伸長時男性器の長さ:男性器を引っ張って伸ばした状態の男性器の長さのことで、勃起時の長さではない。しかし、後述するように、伸長時の長さと勃起時の長さは強く相関(比例)することが分かっている。

  • 伸長時/弛緩時比率:伸長時男性器の長さと弛緩時男性器の長さの比率(=伸長時男性器の長さ÷弛緩時男性器の長さ)

  • 平均±標準偏差:簡単に言えば、平均-標準偏差から平均+標準偏差の範囲に全体の68%(≒2/3)の人が収まっていることを意味している。たとえば、(弛緩している)男性器の「平均±標準偏差」は、7.7±1.7なので、その範囲は6.0~9.4cmとなり、男性の2/3の男性器の長さは、この範囲に収まっていることになる。



表:測定結果まとめ
平均±標準偏差中央値範囲(最小値~最大値)
年齢57.3±16.559.021.0-89.0
身長(cm)168.1±6.7168.0152.0-184.0
人差し指の長さ(cm)7.3±0.57.26.2-8.6
薬指の長さ(cm)7.5±0.67.46.2-9.1
2D:4D比0.97±0.040.970.88-1.12
弛緩時男性器の長さ(cm)7.7±1.77.84.0-12.0
伸長時男性器の長さ(cm)11.7±1.911.57.5-17.0
伸長時/弛緩時比率1.54±0.251.501.15-2.44



研究の結果分かったこととその解説は次のとおり。

弛緩時男性器の長さと伸長時男性器の長さには強い相関がある(相関係数:0.727)


要するに、縮んだ状態の男性器の長さは、引っ張った状態の男性器の長さほぼ比例するということ。伸長時男性器の長さは勃起時の長さとほぼ比例するので、結局、縮んだ状態の男性器の長さは、勃起時の男性器の長さとほぼ比例する。

身長のみが弛緩時男性器の長さと関連する(相関係数:0.172)

要するに、背の高い男性では、弛緩した男性器が長い傾向にある。ただし、相関係数が小さいので、身長が高ければ必ず男性器が長いことを意味しているのではない。あくまでも多くの男性を集めて集計してみると、この「傾向」が見られるということを示しているに過ぎない。実際は個人差の方が大きいだろう。

なお、2D:4D比には、弛緩時男性器の長さとの関連は見られなかった。

2D:4D比のみが伸長時男性器の長さと逆相関する(相関係数:-0.201)


研究結果のこの部分がロイターの記事のタイトルになっている。

この結果は、人差し指が薬指よりも短い(2D:4D比が小さい)男性ほど男性器が長い傾向にある(相関係数がマイナスなので一方の値が大きくなるともう一方は値は小さくなる)ことを示している。この関係を式で表現すると、「伸長時男性器の長さ(cm)=-9.201×2D:4D比+20.577」となる。


直前の項目と同様に、この結果でも相関係数が小さいため、人差し指が薬指よりもより短かければ、そうでない人より「必ず」男性器が長いということは意味していない。あくまでも多くの男性を集めてみると、この「傾向」が見られるということを示しているに過ぎない(下図参照)。

下図は、2D:4D比と伸長時男性器の長さの関係を示したグラフである。一見、2D:4D比と男性器の長さは無関係にみえるが、統計的にはこのような関係があることがわかる。

下図を見ればわかるように、男性器の長さは個人差の方がずっと大きい。すなわち、AさんとBさんの2D:4D比を比べても、どちらの男性器が長いのか、「確実に」判定できない。このように、個人同士の2D:4D比を比べても実際には無意味である。ただし、どちらの男性器が長いのか確率的には判断できるが。

さらに、上の表やこの図から、大部分の男性の2D:4D比は1より小さいことがわかる。そのため、自分の2D:4D比が1より小さいからと言って、平均より男性器が長いとは判断できない(2D:4D比の平均は1であると誤解している人もいるため)。

2D:4D比と伸長時男性器長さの関係


身長、人差し指の長さ、薬指の長さは、それ単独では伸長時男性器の長さとの関連はなかった。2D:4D比のみと関連があった。

ところで、別の研究では、異なる結果、すなわち、人差し指の長さは男性器の長さに関連がある、ことが示されていた(このような矛盾する研究結果が得られることはよくあること)。

たしか2011年1月5日の「ホンマでっか!?TV」で澤口俊之氏が男性器の長さは人差し指に比例すると言っていたが、この研究結果とは矛盾する内容である。おそらく、氏のこの発言は、この研究論文ではなく、上述した別の研究論文をもとにしていると思われる。実際、この論文は「ホンマでっか!?TV」放送後に発表されているので、仕方がない。

伸長時/弛緩時比率は、弛緩時男性器の長さと逆相関する(相関係数:-0.698)

伸長時/弛緩時比率は、男性器を引っ張ると弛緩状態と比べてどれくらい長くなるか、を意味している。この比率が逆相関するということは、弛緩時男性器の長さが長くなるほど、弛緩時と伸長時の比率が小さくなるなるということである。要するに、弛緩しているときの男性器がもともと長い男性では、引っ張ったり勃起しても弛緩状態のときと比べてあまり長くならない(伸びシロが小さい)が、弛緩状態が短い男性は引っ張ったり勃起すると弛緩時と比べるとより長くなるということ(伸びシロが大きい)だ。



ところで、伸長時の男性器の長さと勃起時の長さは強く相関(比例)することが分かっていると上述した。その関係を示したグラフを別の論文(Chen J et al)から引用する(下図)。
両者はほぼ比例関係にあることがわかる。すなわち、男性器を引っ張ったときの長さを測れば、勃起時の男性器の長さを推測することができる。
伸長時男性器長さと勃起時男性器長さの関係



参考文献:
・Choi IH et al. Second to fourth digit ratio: a predictor of adult penile length. Asian J Androl 2011. e-pub ahead of print 4 July, 2011; doi:10.1038/aja.2011.75.
・Chen J et al. Predicting penile size during erection. Int J Impot Res 2000; 12: 328.33.

参考サイト:
人さし指と比べて薬指が長いほどペニスが大きい傾向が明らかに(GIGAZINE, 2011年07月06日 22時00分58秒)
指の長さ、男性器の長さに関連する可能性


追記:

参考サイトで挙げたGIGAZINEの記事に、若干不正確な箇所があるので指摘しておく。

人さし指と比べて薬指が長いほどペニスが大きい傾向が明らかに(GIGAZINE, 2011年07月06日 22時00分58秒)

男性のペニスの長さは、人さし指と薬指を見ることで判別可能だという研究結果が報告されました。

Finger Length Linked to Penis Size | Digit Ratio & Penis Length | Prenatal Testosterone | LiveScience

男性疫学に関する雑誌「the Asian Journal of Andrology」で報告されたところによると、人さし指と薬指の比率である「2D:4D比率」が小さいほど、つまり薬指が人さし指に対して長いほど、ペニスが大きい傾向がみられるという研究結果が発表されました。

男性の人さし指と薬指の長さの比率がホルモンとの接触に関係しているという見方自体は新しいものではなく、これまでにもその比率を見ることで「精子の数」や「心臓発作が起こる可能性」、「利き手」、「顔つきの男らしさ」などが分かるという研究結果が発表されています。

実験は韓国のGachon大学にて行われました。泌尿器科の手術を受ける予定の20代の男性144人を対象とし、被験者たちに麻酔をかけた後、研究者たちは彼らの指の長さと、縮んだ状態と伸ばした状態のペニスの長さを測定。伸ばした状態の長さは、勃起時の長さとしてデータ上取り扱われました。

縮んだ状態のペニスの長さは平均7.7cmで、人によって4cm~12cmまでばらつきがあったとのこと。勃起時に相当する伸ばされた状態のペニスの長さは平均11.7cmで、7.5cm~17cmまで数値はばらついたということです。

人さし指と薬指の比率(人さし指の長さ÷薬指の長さ)の平均は0.97で、下は0.88から1.12まであったとのこと。この数字が小さいほど、ペニスは長い傾向にあると研究者たちはみています。原文では比率になぜか長さの単位がついていますが、この数値が表すところはいわゆる「2D:4D」比率です。

指の比率を見ることでその人が胎児だった時に子宮内で浴びた男性ホルモン量を推測することができるため、研究者はこの見方が前立腺ガンなど男性ホルモンが関係する疾病の治療に役立つのではないかとみています。


・「男性のペニスの長さは、人さし指と薬指を見ることで判別可能だという研究結果が報告されました。」⇒上で説明したように個人個人の2D:4D比を調べても男性器の長さはわからない。あくまでも、数十人以上の集団で見た場合、このような傾向があるということに過ぎない。

・「ホルモンとの接触」⇒ホルモンは体内で分泌されるので「ホルモンを浴びる」方が正確。

・「男性疫学」⇒雑誌名中の単語「Andrology」の誤訳。男性病学が正しい。

・「実験は。。。」⇒「研究は」の方がいいかも。

・「20代の男性144人」⇒「20歳以上の」の誤訳。

・「伸ばした状態の長さは、勃起時の長さとしてデータ上取り扱われました。」⇒原著論文にも、GIGAZINEの記事の元になった海外のサイト(LiveScience)の記事にもこのようなことは書かれていない。正確には「伸ばした状態の長さは、勃起時の長さと統計的に関連がある。」

・「勃起時に相当する伸ばされた状態のペニスの長さ」⇒「相当する」と書くと、「同じ」と誤解されるので「勃起時に相当する」は不要かも。LiveScienceの記事にも「勃起時に相当する」とは書かれていない。

・「この数字が小さいほど、ペニスは長い傾向にあると研究者たちはみています。」⇒「研究者たちはみています」は違和感あるなー。「研究者たちは示しました」の方がいいかも。

・「男性ホルモンが関係する疾病の治療に役立つのではないかとみています。」⇒「治療に役立つ」は言い過ぎで、実際は、前立腺がんなどの発病リスクの高低を事前に見積ることができる可能性があるということ。
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テーマ : 科学・医療・心理
ジャンル : 学問・文化・芸術

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