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放射能汚染された福島県一部地域の今後

福島第一原発の事故で福島県の一部地域が放射性物質により汚染されてしまった。この地域の人々に今後どのようなことが起こるのか考えてみた。
●線量の高い地域は、今後数十年は人が住めなくなる。

放射性物質が蓄積している地域では、放射線量が高く、人体への悪影響が懸念される。そのため、避難区域に指定さた地域の住民は避難生活を余儀なくされている。避難生活をしている人々は、原発事故が一段落すれば、もとの生活に戻れるという希望を持っているかもしれないが、一部地域を除いておそらく難しいだろう。

避難住民が元の土地に戻るには、
  1.汚染地域の放射性物質の除去
  2.除染はせず放射線量は高いが規制を緩めて避難区域指定を解除
のどちらかが必要になる。

1.の汚染地域からの放射性物質の除去だが、には巨額の費用がかかる。たとえば、放射能汚染土壌の「天地返し」のみにかかる費用のシミュレーションを読むと、除去には、約11兆~34兆円かかると試算されている。これだけの巨額費用を捻出することは現在の財政事情では無理だろう。また、除去した膨大な土を捨てる場所または処理する施設等も準備する必要があるため、実現には高いハードルが待ち構えている。

一方の2.だが、低線量の放射線の人体の影響については議論が分かれている。であれば健康への影響はないと考えることも可能になる。実際に、低線量の放射線であれは健康に良い(ホルミシス効果)、とする学説もあるくらいだ。この学説を支持する学者を動員し国民を納得させれば、線量の高くても避難区域を解除することが可能になる。ただし、住民の健康被害が発生した場合には国はその面倒をすべてみる必要がある。

結局のところ、どちらの選択も難しいと考えられるため、最終的には、おそらく、避難住民に補償金を渡して、別の地域に移住してもらうしか無いだろう。
その場合の補償金の総額を見積もってみる。現在の避難住民数12万人の半分で移住の必要があるとし、一人当たり補償金1000万円支払うとする。すると補償金の合計は、6000億円となる。土壌の除染費用の数兆~数十兆円に比べると、費用をかなり低く抑えることができる。避難民にとってはとても厳しい選択だが、経済的には合理的だろう。

実際、4月13日に菅直人首相は「そこには当面住めないだろう。10年住めないのか、20年住めないのか、ということになってくる」と発言したらしいが、結局は撤回された。(原発周辺「20年住めない」=菅首相が発言、その後否定(時事ドットコム、2011/04/13-19:56)

いい加減、早く本当のことを避難住民に伝えたほうがいいだろう。さんざん待たされた挙句、結局は期待と異なることになれば、住民の落胆は非常に深くなるだろう。



●原発事故現場作業員や福島の一部住民に(放射能汚染によるものと思われる)健康被害が発生。国または東京電力を相手に長期に渡る裁判

本ブログでもいくつか記事を書いているが、低線量の放射線でも健康障害が起こる可能性がある。しかし、国や御用学者はそのことを認めない、または否定しているため、放射性物質で汚染された地域にまだ多くの人々が住んでいる。

今後、地域住民に健康被害が発生する可能性があり、その補償を求めて住民が国または東京電力を相手取って裁判を起こすだろう。しかし、福島第一原発の事故で撒き散らされた低線量の放射性物質が原因となって、健康被害が起きたことを証明することは非常に難しいだろう。そのため、国や東京電力は徹底的に戦い、裁判は長期化するだろう。

このような不幸を避けるため、現在よりももっと広い範囲を居住禁止にし、住民を移転させるべきであると考える。

上記のことは原発作業員にも当てはまるが、作業員によっては、「白血病などになっても賠償を求めません」という誓約書にサインさせられている場合もあるらしい(Yahoo! 知恵袋)。
この誓約書が法的に有効なのか無効なのか、私には判断できない。いずれにしろ、福島第一原発の事故現場での作業と白血病などの病気との因果関係を証明することは難しいため、同様に裁判は長期化するだろう。



●放射能汚染地域の住民は「低線量の放射線が健康に与える影響」を調べるための人体実験モルモット化

線量の高い放射線が人体に与える影響はハッキリしているが、低い線量に関しては専門家の間でも意見が分かれている。年間100mSvでも安全という専門家もいれば、1mSv以下にとどめるべきという専門家もいる。要するに低線量の放射線が人体に与える明確な影響は不明だ。

どちらかわからない場合には通常、実験によってどちらが正しいのか白黒つけることができる。たとえば、新薬を開発した場合、最終的には臨床試験という人体実験により新薬の効果や副作用を確かめ、問題なければ一般に使用可能になる。

新薬の開発とは異なり、放射線の影響を調べるために人体実験することは、普通の状況であれば当然できない。しかし、今回の原発事故により、福島県の一部が放射能汚染され、避難区域外には、放射性物質で汚染された地域に現在でもまだ多くの人々が住んでいる。

結果的に、放射線の影響を調べるための人体実験と同じ環境が出現したことになる。今後数年~数十年にわたって、研究者は、住民をモルモットとした人体実験を正々堂々と行うことができる。通常これは疫学調査と呼ばれるが、健康被害を未然に防止する対策をとっていないため、これは実質は人体実験に相当する。

おそらく、放射線の人体への影響を研究している人々は、低線量影響なし派・影響あり派にかかわらず、今回の状況を利用して自分の主張を証明しようとするだろう。研究費も潤沢に獲得できるだろうから、今後数年~数十年にわたって、大規模な健康調査が行われ、その結果が学術論文として発表されることになるだろう。このような研究はとても貴重であるため、その論文はかなり回数引用されることになり、結果的にその研究者の主要な業績の一つとなるだろう。

もちろん、このような行為は悪いわけではなく、科学の発展には不可欠の行為であるし、この行為そのものは価値があることである。しかし、健康被害の可能性があるのならば、健康調査を行うのではなく、健康被害が生じる前に住民を避難させるべきである。



●放射線の人体への影響が明らかになるにつれ、被爆者に対する差別が社会問題化

ヒトは未知な現象や事態に遭遇すると恐れや不安を抱き、それを避けようとする傾向がある。もちろん、この傾向は危険を事前に回避するため必要である。しかし、合理的な理由もなくそれらを回避すれば、それが結果的に差別(Wikipedia)という醜悪な形をとってくる場合がある。

放射線や放射性物質は多量に浴びると死亡するが目では見えないため、ヒトの恐怖心を引き起こすのに十分な特質を備えている(放射線恐怖症)。

悲しいことに、すでに福島県民に対する差別が一部で発生している。


福島第1原発:「県民への風評被害」是正 玄葉国家戦略相(毎日新聞 2011年4月19日 12時45分(最終更新 4月19日 15時47分))


 福島県選出の玄葉光一郎国家戦略担当相は19日午前の閣僚懇談会で、東京電力福島第1原発事故で福島県民のホテルなどへの宿泊予約が拒否されるなど「人への風評被害」が起きているとし、「各省で業界の指導など、やれることを精いっぱいやってほしい」と述べ、差別的な行為の是正に取り組むよう求めた。

 玄葉氏は「他県に福島ナンバーの車が止まっていると『どけ』と言われ、避難している子供が『放射能がついている』と言われる」と実例を紹介。閣議後の記者会見で「一部の心ない対応は本当に残念でならない」と指摘した。


これは無知が引き起こした差別なので、正しい知識を身につけることにより解消できる可能性がある。

問題は、放射線被曝が、住民や原発作業員のDNAや遺伝子に影響を及ぼしたこと、または影響を及ぼす可能性があることが報道された時だろう。

今後数年~数十年にわたって、福島で被曝した住民や原発作業員に対する健康調査や疫学調査が行われるだろう。当然、より専門的な調査、たとえば、放射線によるDNAの損傷や放射線による染色体異常発生率を調査する研究者が当然出てくるはずだ。実際、チェルノブイリ原発事故で被曝した人で、DNA上のミニサテライトの突然変異や染色体異常の発生率が高くなっていることを示した研究があり、当ブログでも紹介した(放射線のDNAへの影響(1)チェルノブイリ原発事故で被爆した子供の染色体損傷)。

これらDNAに対する放射線の影響の調査が行われれば、いづれその結果はいずれ学会や論文等で発表される。そのインパクトは大きいのでおそらくマスコミが大きく報じるであろう。おそらく、この報道に対する一般の人の受け止め方は、放射線により遺伝子が損傷し、その影響が子供(さらに子孫)に伝わっていく、という事になろう。たとえDNAに影響があったと報道されても、多くの人はDNAと遺伝子の違いは知らないと思われるので、DNAの損傷イコール遺伝子の損傷と解釈すると思われる。
ちなみに、遺伝子の突然変異率は非常に低いため、遺伝子の突然変異率を調べるにはかなり多くの人で調べる必要がある。しかし、これは難しいので、一般的にはミニサテライト(DNAの一部で、突然変異率が遺伝子より高い)の突然変異率が調査対象になるだろう。

ところで、遺伝子は生命の設計図(これは既に常識?)であり、当然、設計図を書き換えれば異なる生物になる可能性がある。これが遺伝子組み換え作物に対するアレルギーや不安の根源ではないかと思う。これらの不安を反映して、食品の原材料名欄に「大豆(遺伝子組み換えではない)」や「ばれいしょ(遺伝子組み換えではない)」と明示されている場合も多い。


遺伝子組み換え作物に場合に見られるように、遺伝子の変異は人々に不安感を引き起こす。もし福島の人々に、実際に放射線によるDNAの突然変異が発生したことが判明すれば、多く人に不安を引き起こすだろう。その結果、福島県出身の男性または女性に対する結婚差別が表面化することが予想される(DNAや遺伝子は子供に伝わるため)。もちろん、DNAに変異があったとしても遺伝子が正常であれば問題ないため、これらの差別はまったく非合理的ある。

差別を行うことは決して許されることではないし、ほとんどの国民は差別は良くないという意見を持っているはずだ。
しかし、残念ながら差別は感情的な部分が重要な役割を占めているため、理性のみでは解決できないと思われる。そのため、上記の記事で政治家が差別は良くないと言ったところで残念ながら差別は発生することだろう。

やはりそれを避けるには、福島の人々をできるだけ放射能汚染地域から強制移住させ、放射能の人体への影響は今後は発生しない、と国民を納得させるしか無いのではないかと思う。
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テーマ : 宇宙・科学・技術
ジャンル : 学問・文化・芸術

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